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仮操業

つらつら考えたこと

もし私達の網膜が、今の可視光線ではなくて
X線に反応するとしたら、世界はどのようになっているのだろう。

人と会ったときに見えるのは基本的に骨、である。
その世界では骨以外は見えない(ことにする)。

すると脳味噌は頭蓋骨に隠れて見えないんだけど、
話の都合上、うっすら脳味噌も見えているとする。

その場合でも私達は、「内面」「外面」といった言葉を使うのだろうか。

私達は通常、体の内側が皮膚に隠されているため、
外からは伺いしれない「内面」があると考える。

少なくとも「内向的な人」という言い方はしないのではないか。

仮にその世界でもマブタは透けずに、「目を閉じられる」と考えてみる。
彼はその暗闇を「内面」と感じるのだろうか。マブタの裏が内面?

その世界でも「羞恥」という感情は残っているとする。
すると恥ずかしいのは多分、普段は見えない体表のラインだ。

その世界では全身に砂をかけると軽犯罪法で逮捕される。

美容整形が流行ると、皆こぞって頭蓋骨の縫合線をかっこよく直線にしてみたり、
あるいは脳味噌のシワを自分なりの模様にアレンジする。

「あいつ、脳の整形失敗して最近忘れっぽいんだよ、性格も悪くなったし」


僕が考え付くようなことだから、誰かが既に考えているのだろう。
そんなSF作家なり哲学者なり、どなたか知ってたりしたらぜひ!教えてください。
by tundok | 2004-05-25 20:38 | 未投稿短歌