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仮操業

最近感動した言葉

Tokyo Fighting Kids Returnより




「……しかし、僕たちがことばを語るのは(こんなことをいまさら力んで書くのも何ですが)、自分の唯一無二性のあかしを求めてのことです。
「私以外の誰によってもまだ口にされたことがなく、私がいなければこれからも決して誰によっても口にされることがないはずのことば」を探り当てること。そして、その「唯一無二のことば」の発言者であるという事実によって「私の唯一無二性」を基礎づけること。
僕たちとことばの緊張関係というのは、ほとんどこの一点にかかっていると思います。」


 でもその前の回で、内田樹さんはこうも書いている。


「「自分が起源である」「自分が新しく始めるんだ」ということにしてしまうと人間は「力」が出ない。
 そうではなくて、「ゲームは私が到着する前からすでに始まっていた」ということにして、私は「起動者」ではなく「パスする人」であると自己規定すると、なんだかフットワークがたいへんよろしくなる。
 原理的な説明をするにはちょっと時間がかかりそうですけれど、実感的にはみんなうなずいて、「そう、そうだよ」と分かってくれるんじゃでしょうか。」


 唯一無二性を基礎づけること、でも同時にパスであること。
 狭い通路だけれど、そこを通らなくては。
by tundok | 2005-02-10 22:46 | 雑文