解剖実習初日
私達は解剖実習室の前にいる。
担当の先生はまだ来ず、ドアの鍵は開かない。
私達はドアの前で待っている。
女子学生の雑談の声が心持ち高い。
ちょっとはしゃいでいるようにすら聞こえる。
「っせーな、きゃぴきゃぴすんなよ……」
隣りの男子学生が呟く。
やがて先生がやって来る。ドアが開く。
私達は実習室の中へ入る。
それぞれの解剖台の上に、布とビニールで包まれた
御遺体であろうものが置かれている。
班ごとに席に着く。
テーブルを4人で囲む、というありふれた光景に似ている。
でももちろん御遺体は強烈に存在を主張している。
初めに黙祷を捧げる。
ビニールを開く。解剖実習が始まる。
オルゴールだった人形だった風だった解剖実習初日(土岐 友浩)
担当の先生はまだ来ず、ドアの鍵は開かない。
私達はドアの前で待っている。
女子学生の雑談の声が心持ち高い。
ちょっとはしゃいでいるようにすら聞こえる。
「っせーな、きゃぴきゃぴすんなよ……」
隣りの男子学生が呟く。
やがて先生がやって来る。ドアが開く。
私達は実習室の中へ入る。
それぞれの解剖台の上に、布とビニールで包まれた
御遺体であろうものが置かれている。
班ごとに席に着く。
テーブルを4人で囲む、というありふれた光景に似ている。
でももちろん御遺体は強烈に存在を主張している。
初めに黙祷を捧げる。
ビニールを開く。解剖実習が始まる。
オルゴールだった人形だった風だった解剖実習初日(土岐 友浩)
by tundok
| 2005-01-29 17:03